ブランディング
リボンと、黒板
ブランドコンセプトを現場の行動に落とす|プロショップ車館さん、研修から1か月の振り返り

昨日の夕方、長野市のプロショップ車館さんと、定例の打ち合わせでした。
車検・整備から板金、中古車販売まで、車のことなら何でも相談できる会社です。8月末から9月にかけての研修で、社員さん全員でブランドコンセプトとキャッチコピーを決めました(研修の日の話はこちら)。
決めた言葉は2つあります。
・ブランドコンセプト:「むっちゃあなたのカーコンシェルジュ」
・キャッチコピー:「まるっとずっと車館」
コンセプトは、自分たちが何者かを一言で表す、社内の旗印です。キャッチコピーは、それをお客さんに伝わる形に言い換えたもの。研修では先にコンセプトを決めて、そのあとチームごとに案を出し合い、投票でキャッチコピーを決めました。
あれから1か月。最初にやったのは、1人ずつの振り返りです。
「この1か月、コンセプトを意識して、何かやりましたか?」
「決めたまま、何もしていません」
ある社員さんが、こう言いました。
「正直、決めたまま何もしていない。決めただけに終わっている、というのが本心です。このままではいけないなと」
社長も、こう続けました。
「同友会の報告で、外には話しました。でも、まだ本気度が足りない。みんな、まだ進んでいないのが現状だと思います」
僕は、この2人の言葉が一番うれしかったです。
「何もしていない」と言える会社は、ちゃんと進みます。 一番まずいのは、決めた言葉が壁に貼られたまま、誰も触れなくなることです。言葉にして認めた時点で、もう次が始まっています。
動き出していた人もいた
もちろん、もう動いている人もいました。
お客さんと接することが多い社員さんは、タイヤ交換で初めて来たお客さんに、LINEでつながってもらうようにしていました。
「まだ断られたことはないです」
LINEでつながったお客さんから、「スタッドレスを買うときも、またお願いします」と言われたそうです。「まるっと、ずっと」を、一人で先に始めていました。
メカニックの社員さんは、こう話していました。
「お客さんと話す機会は少ないんですけど、頼まれたこと以外にも、見えないところでできる範囲のプラスアルファをやるようにしています」
見えないところの、小さなプラスアルファ。これも立派な「まるっと」です。
リボンと、黒板
そして、全員の投票で一番人気だったのが、これです。
納車セレモニー。
車をお渡しするとき、大きなリボンをかけて、黒板にメッセージを書いてお迎えする。リボンはもう届いていて、黒板はいまデザインを作っているところです。次の納車から始めます。
さらに話は広がりました。黒板に、洗車のチェック欄をつくる。
洗車で見落としやすいのは、ドアの内側とホイール。その2か所をやったかどうかを黒板にチェックして、最後は整備の責任者が確認してからお渡しする。
車を預かっているあいだに、作業途中の写真や動画をお客さんに送る、という話も出ました。
リボンも、黒板も、チェック欄も、途中の写真も。どれもお客さんの目に見えるものです。
経営に置き換えると
ブランドコンセプトは、決めた日がゴールではありません。決めた日がスタートです。
そして、コンセプトもキャッチコピーも、それ自体は目に見えません。「まるっとずっと」と100回言っても、お客さんには伝わらない。
伝わるのは、リボンと、黒板と、ホイールのきれいさです。
言葉を、お客さんの目に見える行動に変える。そこまでやって、初めてコンセプトは動き出します。
車館さんでは、この1か月の振り返りを受けて、次のことを決めました。
・「まるっとずっと」を「挨拶」「説明」「プラスアルファ」「フォロー」の4つの行動に分けて、指針にする
・週に1回、実際にやったことを共有ボードに書く
・1か月後に、どれだけやれたか、お客さんの反応はどうだったかを確認する
今日できる一歩
御社にも、決めたまま壁に貼ってある言葉はありませんか。経営理念、スローガン、行動指針。
その言葉を、お客さんの目に見える行動に1つだけ変えてみてください。
リボン1本でも、黒板1枚でも構いません。
さあ、いこうか😆
P.S.
納車のあとのフォローの話も出たので、僕がお客さんアンケートでいつもおすすめしている「7つの質問」を、車館さんにお送りすることになりました。
僕の本にも書いている質問です。お客さんの声は、次のリボンと黒板のヒントになります。
この記事の短縮版を note にも出しています。