マーケティング

ジブリの場面写真を、なぜ使っていいのか

スタジオジブリ場面写真の利用条件と「常識の範囲」の読み方

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僕の公式サイトには、ジブリのキャラクターでビジネスタイプを診断するLINEの入口があって、そこにキキ、ナウシカ、ハウルの画像を載せています。

これを見た方から、ときどき聞かれます。

「ジブリの画像って、使っていいんですか」

先に答えを言うと、ジブリ自身が「使っていい」と書いています。 ただし、何をしてもいいとは書いていません。

今日は、公式に書いてあることと、僕がどこに線を引いているかを分けて整理します。


2020年9月、ジブリが場面写真を配りはじめた

スタジオジブリは、2020年9月18日から作品の場面写真の提供をはじめました。

最初は『千と千尋の神隠し』『崖の上のポニョ』など8作品、各50枚で400枚。そこから毎月追加されていきます。

提供日内容
2020年9月18日8作品・400枚
2020年10月16日『ハウルの動く城』など6作品・300枚
2020年11月20日『魔女の宅急便』など5作品・250枚
2020年12月18日『風の谷のナウシカ』など5作品・228枚

2020年のうちに24作品、全1,178枚。 その後も『アーヤと魔女』や『君たちはどう生きるか』の場面写真が追加されています。

『魔女の宅急便』の場面写真(スタジオジブリ公式提供)
『魔女の宅急便』の場面写真(スタジオジブリ公式提供)

僕のサイトの3枚も、ここから取っています。念のため公式の画像と照合したところ、キキは『魔女の宅急便』の11枚目、ナウシカは『風の谷のナウシカ』の16枚目、ハウルは『ハウルの動く城』の3枚目と、同じコマでした。

条件は、たった一文

では、使うときの条件は何か。

各作品ページの「作品静止画」のところに書いてあるのは、これだけです。

「※画像は常識の範囲でご自由にお使いください。」

細かい利用規約はありません。禁止事項の一覧もありません。この一文だけです。

「商用禁止」と書いてあるのは、別の画像だった

ここで、ひとつ引っかかる話があります。

ネットで調べると、「ジブリの画像は商業目的や企業の宣伝には使えない」と書いてある記事がけっこう出てきます。

気になって、元の文言をたどりました。

「商業目的での使用、企業・商品の宣伝等には使用できません。」

この文があるのは、Web会議などで使える壁紙の案内ページでした。在宅勤務や遠隔授業の背景として配られた、場面写真とは別の画像です。

一方、場面写真のページには、その文言はどこにもありません。 『魔女の宅急便』『ハウルの動く城』『風の谷のナウシカ』のページを確認しましたが、3つとも「常識の範囲で」の一文だけでした。

2つの案内が、混ざって広まっているわけです。

『風の谷のナウシカ』の場面写真(スタジオジブリ公式提供)
『風の谷のナウシカ』の場面写真(スタジオジブリ公式提供)

一文しかない、ということ

じゃあ、場面写真は何に使ってもいいのか。そうではありません。

ジブリは著作権を手放したわけではありません。 「使っていい」と言っているだけで、どこまでが常識かは書いていない。

弁護士が運営するデザイナー向けの解説でも、「常識の範囲」には法的に一つの答えはない、と書かれていました。

判断を、使う側に預けているわけです。預けられたからこそ、迷ったら使わない側に倒す。 僕はそう考えています。

僕がセミナーで話している、2つの線

セミナーで「ジブリの画像、使っていいんですか」と聞かれたとき、僕が話しているのはこの2つです。

1つ目は、画像を売ってお金をもらうのは、さすがにダメ。

場面写真そのものを商品にする。グッズやスタンプにして売る。配られた画像でお金を取るのは、「常識の範囲」には入らないと思っています。

2つ目は、アダルトな使い方もダメ。

子どもから大人まで見ている作品です。キャラクターを、そういう文脈に置かない。

どちらも規約には書いてありません。でも、作った人の顔を思い浮かべたら、誰でも分かる線です。「常識の範囲」とは、たぶんそういうことだと受け取っています。

僕のサイトでは、公式の画像を縦長に切り抜いて3枚並べています。コマの中身には手を入れていません。そして、ジブリから「この使い方はやめてほしい」と言われたら、その日のうちに外します。

『ハウルの動く城』の場面写真(スタジオジブリ公式提供)
『ハウルの動く城』の場面写真(スタジオジブリ公式提供)

これ、マーケティングに置き換えると

僕がこの一文でいちばん唸ったのは、ルールの書き方です。

禁止事項を並べると、並べた項目のすき間を探す人が出ます。「書いてないからOKでしょう」と。

「常識の範囲で」とだけ書くと、そのすき間がなくなります。使う側が、自分で考えるしかなくなる。

これは僕の受け取り方ですが、相手を信頼して渡すことで、作品を守っているように見えます。ブランドを守る方法は、禁止事項を増やすことだけではない、ということです。

自社のルールづくりにも、そのまま使える考え方だと思います。

今日できる一歩

自社のホームページやSNSで使っている画像を、1枚ずつ見直してみてください。

「どこから持ってきたか」と「条件は何か」を、それぞれ一言で言えるかどうか。

言えない画像があったら、今日のうちに外す。迷ったら、使わない側に倒す。

さあ、いこうか😆

P.S.

サイトのLINE診断は、2つの質問に答えると、ハウル、キキ、ナウシカ、ポルコ、パズー、サツキ、ムスカ、堀越二郎のうち誰に近いかが分かるものです。画像は3人分しか載せていませんが、診断の結果にはそれぞれのキャラクターの名前が出てきます。

画像:スタジオジブリ公式サイトで提供されている場面写真(ghibli.jp

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