ブランディング
6社に聞いて、3社が答えられなかった
自社の価値を一言で言えるか|同友会9月例会のグループ討論から

昨日の夜、長野県中小企業家同友会の松本支部9月例会で、報告者として話してきました。
テーマは「価格で比べられる会社から、『あなただから』と言われる会社へ」。
先日書いた、「一般論はいいので草間さんの失敗を年表で出してください」と言われた、あの報告の本番です。
結論から言うと、いちばん勉強になったのは、僕が話した1時間ではなく、そのあとの20分でした。

「あなたの会社は、お客様にどんな価値を提供していますか」
報告のあと、グループ討論があります。テーマはこれ。持ち時間は20分。
各グループが話し合って、順番に発表していきます。
1グループ目の発表者が、こう言いました。
我々のグループですね、六社いらっしゃいまして、明確に一言で答えられたのは三社という状況でした。
6社中3社。
半分の会社が、自分の会社が何を提供しているかを、20分では一言にできなかったということです。
どの会社も、何年も何十年も続いている会社です。売上もある。お客さまもいる。それでも、言葉にはならない。

答えられた3社が、何と言ったか
面白かったのは、答えられた側の中身でした。
1社目はカメラマンの方。
「写真ではなく、思い出を提供している」
2社目は製造業の会社。
「大企業がやらないところ、ニッチのところをついていく」
3社目が、僕にはいちばん刺さりました。
もともとは「安い」が売りだった会社が、いまはこう言っていました。
お客様の製品により詳しい。その技術と、お客様との対話。
「安い」から始まって、「対話」にたどり着いている。
同じ会社が、同じ仕事をしていて、言葉だけが変わった。でもこの言い換えができた瞬間から、その会社はもう価格だけで比べられる場所にはいません。
答えられないのは、怠けているからではない
ここは、はっきり書いておきたいところです。
答えられなかった3社が、手を抜いているわけではありません。むしろ逆です。
毎日やっていることほど、言葉になりません。
当たり前すぎて、価値だと思っていないからです。
「うちは普通のことしかやっていないので」
この20年、何百回も聞いてきた言葉です。そして、その「普通」にお客さまはお金を払っている。
自分の価値は、自分からはいちばん見えにくい場所にあります。だから外から言われないと気づけない。20分で出てこないのは、当然なんです。
これ、経営に置き換えると
一言にするときのコツは、1つだけです。
「何を売っているか」ではなく、「お客さまは何を持って帰っているか」を言う。
写真館が渡しているのは写真です。でもお客さまが持って帰るのは思い出。
うちが納品するのはホームページです。でもお客さまが持って帰るのは、問い合わせが来る状態のほうです。
主語をひっくり返す。それだけで、言葉が変わります。
もう1つ、昨日の3社目から学んだことがあります。
価格は、言語化していない会社の、最後の逃げ場です。
自社の価値を一言で言えないと、お客さまは比べる基準を価格しか持てません。だから値下げするしかなくなる。値下げすると、さらに価値の話ができなくなる。
昨日のあの会社は、そこから抜けていました。設備を変えたわけでも、商品を変えたわけでもありません。言葉を見つけただけです。
今日できる一歩
自分で考えない、というのが僕のおすすめです。
お客さまに、直接聞いてください。
「なぜ、うちに頼んでくださっているんですか」
うちはコアメッセージをつくるとき、必ずこれを聞きに行きます。社内の会議室でどれだけ唸っても出てこなかった言葉が、お客さまに聞くと10秒で返ってきます。
答えは自社の中ではなく、お客さまの頭の中にあります。
3社に聞けば、たぶん十分です。
さあ、いこうか😆
P.S.
例会のあとは懇親会でした。着いたのは21時過ぎ。
報告する側で行くと、終わってからのほうが本番だったりします。「あそこ、うちも同じなんですよ」という話が、テーブルのあちこちで始まる。
支部長をやっていたころ、報告者に「失敗を出してください」とお願いする側でした。言われる側になってみて、あれは意地悪で言っているんじゃないと、あらためて分かりました。
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