ブランディング
理念が社員に届かない?社長が語るより一緒に言葉にする 理念浸透の進め方|社長の思いが現場に広がらないときの、インナーブランディング5つのステップ

夕方、いくつもの事業所を持つ会社の社長と、オンラインで打ち合わせをしました。
開口一番、社長はこう話してくれました。
「ここ数日、いろいろ動き出してるんです。学んだことを、アクションプランとして職員に渡せるようになりました」
「できれば生かしてね」では、伝わらない
この社長は、経営をずっと学んでこられた方です。これまでも、学んだことを社員さんに伝えてきました。
ただ、その伝え方を、こう振り返っていました。
「できれば生かしてほしい、役に立ててほしい、というスタンスだったんです。否定されるのが怖かった自分がいる」
そして、こう続けました。
「みんなが幸せになれると信じている。でも、そこをちゃんと言葉にしていなかった。伝えることに、自信がなかったんだなと」
社長は、管理者さんたちにミッションを出しました。
各事業所の存在意義と、大切にする姿勢を、1か月かけて言葉にしてほしい。管理者だけで考えるのではなく、職員さんと一緒に。
ただ、LINEで伝えた反応は、了解のスタンプくらいだったそうです。
「たぶん、またなんかえらいことをやろうとしてるな、と思ってると思います。私たち忙しいのに、って」
多くの社長に、覚えがある場面ではないでしょうか。
社長に見えて、現場に見えないもの
なぜ、こうなるのか。
「茹でガエル」の話があります。ぬるま湯のあいだは居心地がいい。でも、そのまま続けていると、気づいたときには動けなくなる。

この危機感は、社長には見えています。世の中の変化を、いつも見ているからです。一方、現場の人は目の前の仕事にかかりきりで、見える景色が違います。
どちらが悪いわけでもありません。だから、順番が大事になります。
これ、ブランディングに置き換えると
ブランディングには、外に向けて伝えるアウターブランディングと、社内に広げていくインナーブランディングがあります。理念の話は、インナーのほうです。
組織の変え方は、経営学者のコッターが8つのステップにまとめています。僕はそれを、もっとシンプルに5つで伝えています。
社長が決める。チームをつくる。ビジョンと戦略を一緒に考える。目に見える変化を早く出す。文化にする。
中でも、社長が最初に押さえたいのは3つだと思っています。
1つ目。社長が「なぜやるのか」を言葉にする。 「できれば」では、人は動きません。社員さんにとって、お客さんにとって、何が良くなるのか。社長の言葉で言い切る。
2つ目。最初のチームは、変わる気持ちのある人で組む。 役職が高くて変化に慎重な人を最初から入れると、「今までこうだったじゃないですか」の一言で止まることがあります。その人が悪いのではありません。社内に大きな影響力があるからです。人選は、トップにしかできない仕事です。
3つ目。目に見える変化を、早く出す。 ビジョンや戦略は、それだけでは見た目が変わりません。「いつもいろいろやってるけど、結局変わらないじゃん」と思われてしまう。クレドカード、周年の企画、社員さんが出演する社内向けの動画。「おっ、始まったぞ」と分かることを、先にやります。

社長が「職員と一緒にやってくれ」と言ったのは、とても良い一手だと思いました。人から渡された言葉より、自分たちで考えた言葉のほうを、人は大事にします。
あと1つ
言葉を、評価につなげる。
「笑顔を大切にしよう」と掲げるなら、本当に笑顔の人を、評価の中に入れる。「挨拶をしよう」と決めたら、元気に挨拶している人を、ちゃんと認める。
額に入れて飾るだけでは、文化にはなりません。ブランディングに完成はなく、育て続けるものです。
今日できる一歩
最近、社員さんにお願いしたことを、1つ思い出してください。
そのお願いに、次の2つを書き足してみます。
- なぜ、それをやるのか
- 社員さんとお客さんにとって、何が良くなるのか
1行ずつでかまいません。うまく書けなかったら、そこが伝わっていない場所です。
社員さんと一緒に、自社のブランド戦略を言葉にしていく研修もやっています。気になる方は、お問い合わせからどうぞ。
さあ、いこうか😆
P.S.
この打ち合わせには、ちーちゃん(山口千尋さん)も同席していました。
「社長は聞いていないわけじゃなくて、大枠でしか考えていないんです」という話のところで、僕は「これ、ちーちゃんへのアピールです」と言っておきました。
一緒に聞いてくれる場をつくるのが、いちばん早いのかもしれません。
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