現場での気づき
僕は『1300年』を、船の上から見た
長良川の鵜飼が教えてくれた、変えないものと変えるもの

昨夜は、岐阜の長良川にいました。
貢献屋というコミュニティの懇親会で、鵜飼の観覧船に乗る、という企画です。全国から集まった人たちと、船の上で食事をしながら鵜飼を見る。
結論から言うと、ブランディングの話に戻ってきました。

1300年、やり方を変えていない
ぎふ長良川の鵜飼は、1300年以上続いています。
鵜匠は6人。「宮内庁式部職鵜匠」という肩書きで、代々の世襲です。漁の期間は5月11日から10月15日まで。期間中には皇居に鮎を納める「御料鵜飼」もあります。
昨夜の漁は19時30分から。篝火が川面を照らして、鵜舟がゆっくり近づいてきます。鵜匠が手縄をさばいて、鵜が水にもぐる。上がってきた鵜の口から、鮎が出てくる。
機械は、ひとつも出てきません。
火を焚いて、鳥と人が組んで、魚を獲る。やっていることは1300年前とほぼ同じです。それなのに、毎晩たくさんの人が船に乗って、お金を払って見にくる。

変えないものを決めたから、変えられる
見ながら考えていたのは、「変えていないのは漁のほうだけだ」ということでした。
漁そのものは変えない。でも、見せ方はずいぶん動いています。観覧船があって、船の上で食事が出て、開始時刻は日によって調整される。昨夜も、漁の開始が19時30分になったので、その前に一度下船する段取りが組まれていました。
核を1つ決めているから、周りを自由に動かせる。
逆に言うと、核が決まっていない会社は、周りも動かせません。全部が「検討中」になるからです。何を変えないのかを先に決める。そこがブランドの背骨になります。
昨日書いた聞く力の記事ともつながります。技術が同じになるほど、「誰が、どうやってきたか」が価値になる。1300年は、そのいちばん極端な形です。

同じ船に、真逆の人たちが乗っていた
その一方で、船の上は騒がしいくらいでした。
乾杯のあと、参加者が順番に自己紹介をしていきます。これが、見事にバラバラでした。
- 動画編集からオンライン事業に移った人
- 獣医師として働きながら、コミュニティで動いている人
- 山口県でポケモンカードを数億円規模で扱っている人
- ベトナム政府まわりのコンサルティングをしている人
- 人事コンサルタント歴27年の人
- 専業主婦から、これから社会に戻ろうとしている人
1300年変えていない仕事を見ながら、毎年のように商売を変えている人たちが同じ船に乗っている。この対比が、昨夜いちばん面白かったところです。
ちなみに、いちばん記憶に残った自己紹介はこれでした。
「ボールペン1本を、25万円で売ったことがあります」
言ったのは、この会を主催した貢献屋のミヨちゃんです。さすが、と思いました。
内容は覚えていなくても、この一文は残ります。数字は、それだけで引っかかりになる。 しかも、主催者がいちばん強い一言を持っている。場の空気は、たいてい主催者の自己紹介で決まります。
これ、経営に置き換えると
2つ持ち帰りました。
1つ目。変えないものを、言葉にしておく。
「うちは何を変えないのか」を、社内で言えるようにしておく。鵜飼でいえば漁法です。ここが決まっていれば、値段も、売り方も、見せ方も、思い切って動かせます。
2つ目。自己紹介は、30秒のUSPだと思ったほうがいい。
名刺に書いてあることを読み上げても、誰の記憶にも残りません。数字を1つ入れる。 年数でも、人数でも、金額でもいい。「20年で2万人の経営者と会ってきました」でもいいわけです。
僕自身は昨夜、築300年の古民家を拠点にしている話をしました。これも、結局は数字です。
今日できる一歩
自分の30秒の自己紹介に、数字を1つ足してみませんか。
そして、それを次に会う人で試す。反応が変わらなければ、数字を変えればいいだけです。
さあ、いこうか😆
P.S.
漁が始まる前の船の中は、こんな感じです。長机に料理が並んで、提灯がぶら下がって、初対面の人たちが肩を寄せて座っている。

このあと、参加者のお子さんの誕生日サプライズもありました。ろうそくを立てたケーキが出てきて、全員で歌う。1300年の漁のすぐ横で、こういうことが起きているのが、なんだかよかったです。
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