書籍
僕は『聞く』を、ずっと受信だと思っていた
信頼はどこで決まるのか。7つの聞き方モードと「白紙聞き」

毎週土曜の朝、著者フェス!Saturdayという生配信をやっています。川田修さんと一緒に、毎回ゲストの著者をお招きしてお話を聞く番組です。
今朝のゲストは、山口拓朗さん。「伝える力【話す・書く】研究所」の所長で、文章の専門家です。
その山口さんの新刊が、『聞く力は最高の知性である』(SBクリエイティブ)。書く人が、聞く本を書いた。 ここがまず面白い。
聞き方には、7つのモードがある
山口さんは、自分が場面によって聞き方を使い分けている、という感覚を持っていたそうです。それを徹底的に棚卸しして、7つのモードに整理したのがこの本です。
全部は紹介しきれないので、僕が聞きたかったモードを1つだけ選びました。信頼構築モードです。
理由ははっきりしています。人が新しい会社やサービスを選ぶとき、まだ使ったことがないものを「たぶん、いいだろう」で買っている。 決め手になるのは信頼です。ならば、信頼が立つ聞き方を知りたい。

白紙に、文字を焼き付けるように聞く
山口さんが挙げたのが「白紙聞き」でした。
「一瞬、その相手が話していることを、白紙に文字を焼き付けてもらうかのように、まずはフラットな気持ちで受け止める」
人は、相手の話を聞きながら、同時に考えています。それはいい、それは違う、ここはこう返そう。ジャッジしないと会話が進まないので、これ自体は止められません。
ただ、一旦フラットに受け止める時間を先に置く。 それだけで「この人はちゃんと自分の話を聞いてくれている」が伝わる、と。
逆も語られていました。自分の言いたいことは話すのに、こっちの話は聞いてくれない。そう感じた相手には、こう思われます。この人は、自分に興味がない。仕事のためだけに話している。 信頼は、そこで抜けていきます。
「聞く」は、受信じゃなかった
僕にいちばん刺さったのは、ここでした。
「聞くっていうのは情報発信である。情報受信じゃなくて情報発信だよ」
あなたの話を聞いていますよ、ということを、言葉以外の全部で発信する。 うなずき、表情、視線。「うん」と言いながら横を見ていたり、スマホをちらっと見たりしたら、それは聞くという発信ができていない。
僕はずっと、聞くのは受け取る側の作業だと思っていました。違いました。聞いている時間も、こちらが発信している時間です。

問題解決モードが、勝手に起動する
配信中、川田さんがこんな話をしていました。
奥さんの話を聞くときに、共感をまったくせず、「だったらこうすればいいじゃん」と解決の話にしてしまう。結果、全然分かってくれない、と言われる。
山口さんの返しが的確でした。川田さんはコンサルタントで、問題解決のプロだから、その問題解決モードがそのまま起動してしまう。
これ、僕もまったく同じです。商談でも、相手が話している途中で「どう解決するか」を考え始めます。その瞬間から、相手の言葉は半分しか入っていません。
しかも厄介なのは、こちらは仕事をしているつもりだということです。
これ、経営に置き換えると
3つ、持ち帰りました。
1つ目。トークスクリプトより先に、相手の情報を入れる。 営業で用意した話を全部しゃべりきっても、信頼は積み上がりません。順番が逆です。
2つ目。相手の自己重要感を満たす。 山口さんの言葉です。相手のいいところに目を向けながら聞いて、それを言葉にして返す。部下との1対1でも同じことが起きます。人は、自分を認めてくれた相手を信頼します。
3つ目。余白がないと、どのモードも発動しない。 頭の中で別の案件が動いていたら、白紙にはなりません。聞く時間は、空けてから臨むものでした。
今日できる一歩
次の打ち合わせの、最初の5分だけ試してみませんか。
メモを取らず、返す言葉も考えず、ただ受け止める。
うなずきと表情は、しっかり出す。それがこちらからの発信になります。
さあ、いこうか😆
P.S.
配信の終わりに、川田さんから「たくちゃんの本を読んで、早速白紙聞きを試した」という報告がありました。しかも「うまくいった気がした」と。本を読んで、翌日に試して、人に話す。この速さが、いちばん学びになりました。
この記事の短縮版を note にも出しています。