AI×経営
僕は『AIの使い方』に1分も使わなかった
クリニックのAI研修で、1週間後にスタッフが動き出した理由

毎週木曜の朝7時半から、行列のできるAI経営相談所という生配信をやっています。
昨日は、初めてゲストをお招きしました。 東京・日野市のたいら手の外科・整形外科、院長の平良貴志(たいら たかし)先生です。先日、僕たちがクリニックでやったAI研修の振り返りをしました。
結論から言うと、AIの使い方の説明には、ほとんど時間を使っていません。 効いたのは、そこではありませんでした。

研修の前に、こっちがAIで下調べをする
研修でやったことを、先に書きます。
当日までに、クリニックの業務と、そこで起きがちな困りごとをAIで調べておきました。 受付、予約、電話、書類、シフト。どんな仕事があって、どこで時間が溶けているか。
それを研修の中で、例として出します。「こういうことで困っていませんか」と。これは種まきです。正解を渡すためではなく、自分の現場を思い出してもらうために置きます。
人は「困っていることを挙げてください」と言われても出てきません。でも、似た例を見せられると「うちはむしろ、あれが面倒で」と出てきます。
もうひとつやったのが、音声入力のデモでした。しゃべるだけで文章になる。キーボードが苦手な人ほど、ここで顔が変わります。「これならできる」が先に来ると、あとが早い。
院長が驚いたのは、AIのほうじゃなかった
配信で平良先生が言っていたのは、こういうことでした。
スタッフが、自分たちで課題を洗い出して、自分の言葉にできていた。 そこがいちばん驚いた、と。
そして研修中、こんな声が出たそうです。
「あれ? これって、マネージャーの仕事そのものでは?」
AIに何をどう任せるかを考える作業は、人に仕事を割り振る作業と同じです。得意なことを見極めて、指示の粒度を決めて、上がってきたものを確認する。やっていることは、マネージャーの仕事そのものです。

1週間後に、勝手に資料ができていた
いちばん効いたと感じたのは、研修の1週間後です。
研修に参加していないスタッフ向けの共有資料が、スタッフの手で作られていました。 誰かが指示したわけではありません。しかも中身が、AIに不慣れな人でも進められるように、手順を1つずつ並べた作りになっていた。
研修の出来って、当日の空気では分かりません。盛り上がっても、翌週には元に戻っていることがあります。
続いたかどうかは、1週間後に見える。 今回はそれが、いちばんうれしい形で出ました。
これ、経営に置き換えると
AIの導入がうまくいかない会社は、だいたい「どう使うか」から入っています。 ツールの名前と操作を覚える。研修が終わると、詳しい人がひとり増えて、そこで止まる。
順番が逆です。
先に「何が面倒か」を、全員に出してもらう。 道具の話はそのあとです。自分の面倒が解決したら、人は放っておいても使います。使い方は、そのとき自分で調べます。
クリニックの場合は、ここに条件がひとつ乗ります。個人情報を含まない仕事から始める。 患者さんの情報が絡む業務は、最初のうちは触らない。これは業種によって線が違うので、自社の線を先に引いておくほうが安全です。
残っている宿題もあります。スタッフの間で、AIに慣れている人と、そうでない人の差が出る。 ここを放っておくと、結局また詳しい人ひとりの仕事になります。平良先生とは、1か月後にオンラインで様子を見るミーティングをすることにしました。
今日できる一歩
次のミーティングの最初に、これを聞いてみませんか。
「今の仕事で、いちばん面倒なことをひとつ挙げてください」
全員から1つずつ。AIの話は、そのあとで大丈夫です。出てきた面倒の一覧が、そのまま自社のAI導入計画になります。
さあ、いこうか😆
P.S.
来週は、平良先生のクリニックのホームページリニューアルの打ち合わせです。AIの前に、まず入口。このへんの話も、またどこかで書きます。
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