マーケティング

求人票に、会社の顔は載っていない

ハローワークで応募が来ない会社の、SNS採用の始め方

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今日の昼、オンラインで採用の相談を受けました。

相手は、長野県内で農業資材や農薬を扱っている会社。社長と、総務の担当の方の2人です。

最初の質問は「SNSをどうやったらいいか」でした。

でも1時間後、話はまったく別のところに着地していました。

求人票に書けるのは、条件まで。会社の顔は載せられない。 今日はその話です。


「前は、ハローワークだけで来ていた」

いま出している求人は4本。営業が2人、パートが1人、新卒の営業が1人です。東京の営業所は4人のうち3人が50代で、そこもこれから募集をかけたい。

これまでの採用は、ハローワークが中心でした。

「今までそんなにやらなくても、ハローワークだけである程度の応募が来てたので」

それが、コロナの前までの話。いまは事務職でも、応募は2か月に1回あるかどうかだそうです。

ハローワークに出した求人はIndeedにも転載されるので、見られてはいるはず。それでも来ない。

条件を並べた求人票だけでは、会社の違いが伝わらない
条件を並べた求人票だけでは、会社の違いが伝わらない

「協力してください」では、ネタが集まらない

総務の方の悩みは、具体的でした。

総務だけでは、SNSのネタが足りない。社員に写真や話を出してもらいたい。でも、

「ただ協力してくださいだけだと、なかなか集まりづらい」

僕が伝えたのは、2つです。

1つ目は、社長が宣言すること。 発信して会社の認知とブランド力を上げるのは大事な仕事だと、会社として言い切る。これがないと、SNSをやっている人が遊んでいるように見られてしまうんです。

2つ目は、一人にしないこと。 撮影や編集で手を動かすのは、1人か2人でいい。でも企画会議には、マネージャークラスも入る。 ネタは、現場を知っている人の頭の中にあるので。

マーケティングもブランディングも、そもそも経営戦略の一つです。それくらいの重さで扱う、ということです。

「会社に入りたいとは、微塵も思わない」

社長からは、率直な言葉が出ました。

「よく見かけるけど、会社に入りたいとは微塵も思わない、みたいなのがすごく多くて」

企業のSNSはよく目に入る。でも、入りたくはならない。じゃあ何を出せばいいのか。正解が分からないから、準備のしようがない、と。

僕の答えは、こうです。

答えは、相手が持っています。

どういう人に来てほしいのかを、先に決める。その人に価値が伝わるものが、正解です。社長が見て「面白くないな」と思う投稿でも、求職者には響くかもしれない。 それが答えなんですよ。

「アカウントがない方がやばいと思って」

もうひとつ、正直な話がありました。

社長は会議で、もう3〜4回、SNSをちゃんとやろうと話しているそうです。ハローワークに出すだけでは、もう来ないんだから、と。

それでも社内には、なかなかピンときてもらえない。とりあえずアカウントだけは作って、

「意味があるのか分からないのを、一応流している状態なんですよね」

いま、多くの会社がこの状態だと思います。

SNSは、明日から問い合わせが来る広告とは違います。積み上げる媒体です。 ただ、ある一線を越えると、めちゃめちゃ強い。だから必要なのは、やり方より先に、積み上げが止まらない体制です。

話は、SNSの手前に戻ってきた

後半、社長がこう切り出しました。

実は去年、社長を引き継いだばかり。この1年は引き継ぎの整理で手一杯で、「うちはこういう会社にしていく」をまだ出せていない。10月に社員を全員集めて、ビジョンと理念を発表する準備をしている、と。

そして、自分でこう言ったんです。

「ブランドのベースになるイメージみたいなのが全くない状態でやったって、しょうがないじゃないですか」

その通りで、僕も「正直、そこからやったほうがいい」とお伝えしました。どういう会社なのかが決まれば、SNSで何を出すかは決めやすくなります。

SNSのやり方を聞きに来た社長が、自分で「その手前」にたどり着いていた。いい1時間でした。

どういう会社かが決まれば、発信する中身は現場にある
どういう会社かが決まれば、発信する中身は現場にある

これ、経営に置き換えると

求人票に書けるのは、条件です。給料、勤務地、休日、仕事の内容。

でも求職者が本当に知りたいのは、「どういう会社で、どういう人たちと働くのか」です。そこは、求人票の枠には入りません。

ハローワークだけで人が来ていた頃は、条件で足りていた。いまは条件を並べても、他社と見分けがつかない。9月2日に書いた「学生は、ホームページを見ていなかった」と、根っこは同じです。

だから、順番はこうなります。

  1. どういう会社かを、言葉にする
  2. 誰に来てほしいかを、決める
  3. その人に届くものを、チームで出し続ける

SNSは3番目です。1と2がないまま始めると、「意味があるのか分からないのを流している状態」になります。

今日できる一歩

自社の求人票を1枚、手元に出してみてください。

書いてある条件を全部隠したときに、「うちがどういう会社か」が一行でも残るかどうか。

残らなければ、SNSより先に、そこから始めましょう。

さあ、いこうか😆

P.S.

今日の打ち合わせは、僕の謝罪から始まりました。先方はGoogle Meetで待っていてくださったのに、僕だけZoomを開いて、別の部屋でずっと待っていたんです。同じ時間に、違う部屋で、お互いを待っていました😅

あなたの会社の「らしさ」は、どこにありますか

30秒で終わる診断があります。考えて出すものではなく、もともとあるものを掘り出すための入口です。